語り場ガイナビーツ

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シルバー仮面は再評価すべきである

ウルトラマンに代表される巨大ヒーローモノというのはかなり色々あって、正直言うと駄作感漂うものも多かったりするわけです。ちんちくりんなデザインのものから明らかに予算足りてないものまで様々。そんなのでも面白さを見出して楽しんだり、また、それが思い出に残っている人もいれば、「大好きだ!」と言う人もいるわけです。

 

ウルトラマンシリーズ以外の巨大ヒーローモノといえばミラーマンスペクトルマン、ファイヤーマン、ジャンボーグAと9などなど。かなりあるわけですが、まぁ興味の無い人からすれば「なんじゃそのパチモン軍団」と言われて終わりでしょう。今回はそんなマイナーなものの中からシルバー仮面を取り上げたいと思います。

 

 

シルバー仮面はかの有名な実相寺昭雄監督が参加した作品でもあります。でも、監督が担当したのは第1話、第2話の二つのみ。1話からかなり飛ばした内容が衝撃的で(しょっぱなから主人公の兄妹の家が深夜に火災。しかも火をつけたのが宇宙人という。)、その内容に実相寺的なカメラの使い方が光るとてもいいエピソードです。これは一見の価値あり。1、2話以降の内容もかなり大人向けな印象を受けるものが多いです。光子ロケットの設計図を狙う宇宙人たちのテロリストじみた犯行。いつ殺されてしまうか分からない緊迫感の中で生活しなければならない春日兄妹の悲しみが物語を引き立てます。

 

そんなシルバー仮面ですが、テコ入れ以降(タイトルにジャイアントが追加されて以降)は子供向けに舵を切り、怪獣ブームの流れに乗ることに。レギュラーに子役が追加されたり、春日兄妹も明るい生活を手に入れていたり、色々ご都合主義な部分も見える展開になっていきます。

 

数多ある巨大ヒーローに埋もれた一つであるシルバー仮面。前半と後半の温度差も気になりますが、この作品にはウルトラマンには無い突き抜けた面白さが隠れていると私は思います。

 

シルバー仮面の魅力とは

どんな作品にも必ずオープニングが存在します。主に製作スタッフのクレジットが目的ですが、オープニングと言うのは作品にでてくる登場人物の紹介やその人物たちの位置関係を示したりする、作品の大前提である部分を視聴者に説明する大事な場面です。そんなオープニングですがシルバー仮面は一味違います。この一味違うオープニングがシルバー仮面の面白さです。一つ例を挙げてみます。

 

 

お父さんに「おめぇはいつも怠けてばかりで!しっかりしろ!」と叱られて夜中だというのに、外に一人で出されてしまう男の子。

 

怠け者な性格と行動を反省させるために外につまみ出されたようです。男の子の「メシは?」の問いかけにお父さんは「抜き!」。厳しい家庭のようです。不憫に思ったお母さんは干し柿をそっと渡してあげます。

 

ぼーっとしている男の子。ふと何かに気づき「お父ちゃん。大仏様が消えてるよ」と呼びかけます。この家庭は、村にある大きな大仏様の管理をやっているお家だったんです。「馬鹿野郎、スイッチがあんだから自分でやりやがれ」とお父さんがスイッチを押すと大仏様がライトアップ。白く、大きい大仏が夜の小さな村に浮かび上がります。

 

「お前はいいよなぁ。何もせずにどでぇーんとしてるだけでいいんだから」と男の子。するとそこにトンネルを抜けた新幹線が。この村は大仏の少し離れた所を新幹線の線路が走っていて新幹線がみえるのです。「あ!新幹線!」と男の子。

 

するといきなり大仏の目が青くぼんやりと光って怪光線を発射!新幹線を爆発させます。驚く男の子。大きな爆発で新幹線の車体は大きく持ち上がり、村へと落ちます。男の子の家にも燃え盛る新幹線が落下。家は無残に押しつぶされ、真っ赤に燃え盛ります。

 

ここでオープニングが流れ始めます。高く火柱を上げる炎、焼け落ちていく家、泣きながらお父さんとお母さんを呼び続ける男の子。目の前で、両親の居る場所が燃えて行く様を見ながらただただ両親を泣きながら呼ぶ男の子の映像が効果音も音声も無く、無常にシルバー仮面のオープニング「故郷は地球」が流れていきます。

 

テコ入れ後のジャイアントではこの回のオープニングはかなり好きです。タイトルは「怪奇 宇宙菩薩」。ギャグっぽいタイトルでもオープニングの重さはジャイアントでは屈指のレベルではないかなと。

 

基本的にシルバー仮面はこうした絶望的な破壊の場面にオープニングが重なります。無常に人の命が奪われ、物が壊されていく。そこに流れるヒーローの希望の音楽。映像と歌が間逆で、それがさも当然であるかのように進行して行くこの怖さがシルバー仮面の魅力だと思います。

 

 

ウルトラマンとは違い正統派の印象は無いシルバー仮面ですが、物語の導入の仕方はとてもかっこいい作品です。独特の暗い雰囲気が最高な作品ですし、何よりオープニングをドラマチックに魅せるこの技術は素晴らしいと思います。オープニングへの導入が上手い作品は少ないので(もう一つあげるとすれば勇者王ガオガイガーかな)、特撮好きは必見です。やはりシルバー仮面はこの点において再評価が必要な作品ではないでしょうか。